『お子様遊戯』

自分の直ぐ隣で、体を預け寄りかかってくる
愛しい相棒の体温
もう二人の遊戯にとっては、
いつも通りになった幸福な一時・・

――の筈だが・・

だが、どうにも今日の相棒は
いつもと様子が違う気がするのは、
オレの気のせいだろうか?
相棒はなんだか、そわそわとしきりにオレの顔を見つめている。
――ふう・・今日は何かあったのか、相棒?
考えてみても、オレには イマイチ思い当たる節が無かったが・・

当の本人の遊戯は ほんの少し緊張している面持ちだった。
――うわ・・何か、緊張してきたかも・・
そう思うと、つい無意識に ポケットの中のある物に手を伸ばしていた。
そう、遊戯のポケットの中にある物とは・・
最近、巷でちょっとした噂の 『媚薬入りキャンディ』である。
その効果たるや、
『北極の如く冷え切ったマンネリカップル達にも、
めくるめく赤道直下の熱帯夜が訪れる!!』
という誇大広告が売りのかなり怪しい代物である。
一時期、マスコミやネット等で 隠れたヒット商品としてブームになったが、
直ぐにその熱も冷め、
今ではディスカウント店の売り尽くし等でチラホラ見られた。
そんな時に、たまたま買い物に来た 彼の目に入ったのだった。
袋に書いてある説明を読むと、 それこそ明らかに胡散臭かったが・・
遊戯の中に「もう一人のボクが食べたら、どうなるだろ?」という、
ちょっとした好奇心を擽る位の威力があった訳で・・

――・・ちょっとだけ、見てみたいかも・・

確かにHな事、もといスキンシップに対する
積極性はもう一人のボクは明け透けで頻繁だったが、
かといって、いざ二人でコトに及べば、
愛情深い彼は無理強いなどさせられた事も無い。

あのクールな「もう一人のボク」が 快楽に悶える姿を想像すると、
なかなかに、興味をそそるモノもある・・

アノ時の彼の声や薄っすらと汗の浮かべた姿ですら「色っぽいなぁ〜」っとか
思い出しただけで、凄くドキドキするのに・・それ以上のなんて・・
ふと、遊戯は熱く潤んだ瞳で迫る彼を想像してみたが、
自分の妄想であるにも関わらず、 一瞬だけ脳にグラっときた。

ふつふつと湧き出る好奇心と、 ほんのちょっとの悪戯心を満足させるべく、
遊戯は試しに、この「媚薬入りキャンディー」を一袋購入するに至った訳である。

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以下、「続き」は『お子様遊戯』本編をお楽しみ下さいませ♪
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