The Start Of Destiny


バトル・シティ大会も中盤に入り、脱落者が次々と現われる中、順調に勝ち進んでいる一人の女が居た。

「やったー!これでパズルカードは残り一枚!次のデュエリストに勝てば、予選通過よーっ!!」

少女の名は、。彼女は今までの戦いを、無敗でクリアしてきた、かなりの実力者である。

「やっぱり『レッドアイズ』って頼りになるわー。」

最後のデュエリストを捜す為、バトル・シティを歩き回る。童実野町の至る所で、デュエルが行われている。
やがて、のデュエル・ディスクの『デュエリスト・センサー』が反応する。

(よし、向こうにデュエリストが居るっ!!)

はセンサーが反応している方向へと走り出す。



その頃・・・。
海馬瀬人も、負けなしで大会を勝ち進んでいた。

「兄サマ、次のデュエリストに勝てば、予選通過だね!遊戯の奴も勝ち残っているかな?」

モクバは、瀬人のレアカードが詰まった鞄を持ちながら、瀬人の隣を歩く。

「予選落ちして貰っては困る。奴は俺が必ず倒す!」
「そうだ、城之内の奴も結構生き残ってるって話だよ。」
「フン・・・。奴はどうせ、決勝までは生き残れないだろう。」

そんな会話をしていると、突然誰かがぶつかってきた。

「きゃあっ!!」
瀬人にぶつかってきたのは、であった。はぶつかった衝撃で尻餅をつくが、
すぐに立ち上がって相手に文句を言おうとした。が、立ち上がった瞬間、は息を呑んだ。

(・・・・・・・大きい人・・・・・・。)

確かに、瀬人は普通の高校生よりも、遥かに背が高い。
しかし、この時、はこの男こそが『海馬瀬人』である事に、まだ気付いていない。

「・・・・・何だ。」
茫然としているを、瀬人はただじっと睨む。

「お前!!退くなら早く退けよ!!」
モクバはイライラしながらに向かって叫ぶ。

(よしっ!丁度いいわ。この男を倒して、予選を通過してやる!!)
はそう決意して、デュエル・ディスクに自分のデッキを入れて準備する。

「ねえ、デュエルしない?ここで会ったのも何かの縁。折角だからデュエルしましょう。」
瀬人は暫く黙り込んでいたが、やがて瀬人もデュエルの準備をする。

「いいだろう。貴様のその度胸、買ってやる。」
モクバは慌てて審判の位置につく。

「デュエル開始ーーーーっ!!」
モクバの合図と共に、瀬人とのデュエルが始まった。やがて、野次馬もどんどん増えていった。

デュエルが始まって数十分が経つ。現在、瀬人のLPは3000、のLPは1000である。

(なっ、何なの!?この人、今まで戦った誰よりも強い!!)

「ククク・・・。俺にここまで傷を負わせた事は誉めてやろう。だが、次のターンで貴様は終わりだ!!」

瀬人はカードをドローし、ニヤリと笑う。

「魔法カード、『ドラゴンを呼ぶ笛』発動!!」

瀬人のフィールドに『ドラゴンを呼ぶ笛』が現われる。そして、呼び出されたドラゴンは・・・・。

「三体のブルーアイズ、召喚!!」

「なっ・・・ブルーアイズが三体!?まさか・・・!!」
は漸く、今自分が戦っている相手が『海馬瀬人』である事に気付く。

「そして、手札から魔法カード『融合』を発動する!」

三体のブルーアイズが融合し、『ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン』が召喚される。

「・・・・・・・!!攻撃力・・・・・4500・・・・・・!!」
圧倒的な力に、は愕然とする。

「アルティメット・バースト!!」
の切り札、『レッドアイズ』が消滅し、LPはゼロになった。

「うっ・・・。」
攻撃を喰らったは片膝をつく。

「やった!!これで兄サマの予選通過が決定だ!」
デュエルが終了した途端、周りから拍手が沸き起こる。

「いやー、凄かったな。海馬の最後の一撃。」
「しかしあの女の子も良く戦ったよ。」

瀬人はからパズルカードを受け取ると、さっさとその場を離れてしまう。

「あ・・・ちょっと!?」
も慌てて瀬人の後を追うが、中々追いつかない。やがて、人通りの少ない道に出る。

「ちょっと待ってよ、海馬っ!!」
はつい、呼び捨てで瀬人を呼び止める。

「まだ何か用か?」
瀬人は振り向きもせずにに問う。

「忘れ物よ。『レッドアイズ・ブラック・ドラゴン』。受け取って頂戴。」

言って、は自分のデッキから『レッドアイズ』を引き抜く。だが、瀬人は受け取ろうとはしなかった。

「そのカードは俺のデッキには似合わん。」
そう言い捨てて、瀬人はまた歩を進めようとする。しかし、は瀬人の前に立って、通さないようにする。

「大会のアンティルールを作ったのは貴方でしょ!?何で受け取ってくれないのよ!!」
は必死で瀬人に食い下がるが、瀬人は全く動じない。

「お前と同じ切り札を使う、ある凡骨の事を思い出して気分が悪い。そのカードは受け取らん。」

「ぼ・・・凡骨〜っ!?」

自分が凡骨と言われた訳ではないが、無性に腹が立つ

「・・・分かったわよ。この『レッドアイズ』は私の大切な相棒だもの。そう簡単には手離さないわ。」

言っては『レッドアイズ』を自分のデッキに戻す。

「その代わりっ!!貴方に勝てるまで、ずっと貴方について行くからねっ!!」

は勢い良く瀬人を指さす。

「フン・・・やってみろ。」
そう言って瀬人は先を急ぐ。モクバはちらりとを見て、すぐに瀬人の後を追う。


「あ、ちょっと待ってよ瀬人!!」
も慌てて二人の後を追う。


瀬人と。お互いが大切な存在になる事は、これからずっと先のお話。


終わり


あとがき
ヒロインの切り札が『レッドアイズ・ブラック・ドラゴン』なのは、私の以前のデッキがモチーフです。
私は当初、城之内にかなり近いデッキを使っていて、『レッドアイズ』と『サイコ・ショッカー』が切り札でした。
まあ、ギャンブルカードは少な目ですが。瀬人様の口調が難しくて、下書きの時に大分苦労しました。
アニメ見返したり、漫画読み直したり。
更に雰囲気を出すためにサウンドトラックを聴きながら、と色々工夫しました。
少しでも楽しんでもらえれば、嬉しいです。
あ・・・ヒロイン、瀬人様に名前呼ばれてないじゃん・・・!!(滝汗)



この「ドリーム小説」は聖堂 鈴華様から頂きました♪

皆様、聖堂鈴華様宛ての感想メール等は、 こちらからどうぞ!!



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―― 感謝の言葉――

聖堂さん、この度は「社長ドリーム」を贈って頂き有難う御座いました♪

「決闘者・ヒロインVS決闘者・社長さん」ドリームという感じですが、
「決闘」シーンが中心にあるドリームも、なかなか新鮮で楽しかったですし、面白かったです♪

ライバルちっくなお二人さんが「仲良く」なるには、
本当にもう少し時間が掛かりそうですね♪(微笑ましいですねぇ〜♪)


もう少し、あの二人の仲が進展するお話も、是非是非!!読んでみたいので、
”こはくもなか”は期待しておりますよ!!(また、勝手な事を・・(苦笑))


それでは短いですが、これにて「感謝の言葉」とさせて頂きます。


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