blue sky



透き通るような青い空。そよそよとふく心地よい風。
そんな春の朝に今、俺は童実野町中央公園にいた。
一ヶ月ぶりのデートの約束の時間を待つために。

時間まではまだ、10分近くあるが・・・

特にやる事もなく、外の天気がいい天気だったため
早めに待ち合わせの場所にくることにした。
まだ早い時間だからわずらわしい子供も、団地の主婦たちもいない。
一人、二人・・・犬の散歩をしているご老体がいるぐらいだ。

(こういうのもわるくはないな・・・)

いつもこの前をとおるときは、仕事の帰り道か、学校帰りぐらいなもので
たいていそれは、昼過ぎか、夜半・・・それも車の中からのぞき見たに過ぎなかった。
自分の足で公園などに足をふみいれるなどどれほどしていなかったか・・・

最後に訪れたのはいつだ?すくなくとも俺が「海馬」になってからはしていない。
(いつだったか・・もう、思い出せないな。)

芝生をさくさくとふんで歩きながら、ぼうっと空を眺めて見る。

まだ、こない。

「おかしい・・・・・5分の遅刻だぞ・・俺を待たせるとは・・」
近くをみてみるが、俺のそばにこれまた待ち合わせしているのか
なんなのかはしらないが茶髪、にたような髪型で俺と同じ背丈の男が立っている。
顔は天と地ほどの差だが、紛らわしいにもほどがあるぞ。
むろん、俺のほうが美しい・・クク。

「ごめ〜ん!!おまたせ、瀬人!!」

(どうやら来たようだな・・クク、どうせいつものように抱きついてくるのだろう?)
と、目をとじてひそかに腕をひろげて抱きついてくるのをまってみたが・・

おかしい。こない・・?いつもなら・・・・・

瞳を開けてあたりを確認して見ると、間違いなくはいた。
ただ・・抱きつく相手をまちがっていたが。

、貴様ぁあああああああ!!!」

「え??なんで瀬人の声が後ろから・・??」
背中からだきついたもんで顔は確認していないらしい。

だが、素通りされた俺の立場はいったい・・?
俺はきちんとの方向をみていたのだぞ・・??
「それは俺ではない!!人違いもいいところだっ!!」

「へ??」

慌てて、顔を確認してフリーズする
「瀬人・・・いつからそんな野性的な・・ってかゴリラ・・な顔に・・??」
まだ、俺と間違えるにもおぞましい顔の「それ」を俺だと思い込んでいるらしく
あからさまに引きつった顔をうかべてフリーズしている。
ゴリラと呼ばれたほうはたまらないだろうが。

「ええぃ!!!!貴様・・それは新手の嫌がらせか?俺はここにいるといって・・
「え??せ・・瀬人が二人・・・??」
「そっちは見ず知らずの赤の他人だ!!貴様が勘違いしているだけだろうが!!」
「ぇええ!?そ・・そうなの!?きゃ・・きゃあっ!!ごめんなさい!!」
言われてるほうが可愛そうなのかはしれんが、
俺を「それ」と区別できないというのはどういうことだ?
こんな愚民などと間違われるなど・・・・
ぐぬぬぬぬぬぬぅ・・・・・

たぶん、俺はよほど不機嫌な顔をしていたのだろう。
そばによって来て心配そうに俺を見上げてくる。

「瀬人・・・ごめんなさい。」

首をかしげてみてくる。ぐぬぬ・・・・・可愛い。
イライラはしているのだが、つくづく俺はこの女に弱い。

「フン・・次は間違えるな。いいか、許すのは今回までだぞ?」
「う・・うんVV瀬人大好き〜〜VV」
ぎゅう〜っと抱きつかれるのはいいが、気分はとても複雑だ。
なぜなら俺はその「ゴリラ」に等しき男とを通して間接抱擁をするはめになってしまったのだから。
あえて考えないようにしたいところだが、目の前で見てしまった直後に抱きつかれるのは複雑なものだ。

「・・・・まったく貴様は人の気もしらんで・・まぁいい。はやく行くぞ。」

の手を俺の手を絡ませ、歩調をできるかぎり自然にあわせてやって
中央公園の中心にある芝生広場まであるいた。
今日のデートはの希望でこの公園になったのだが、
海馬は何故ここをデートに選んだのかが理解出来ていなかった。

まさか・・・「それ」のためだとは。

「瀬人〜えへへ、座ろう?」
芝生の上を指差してにっこりと微笑み、無理やり俺の手を引っ張って座らせる。
「・・・何をニヤニヤしている?クク・・・不審極まりないぞ?」
「べ・・・べつにニヤニヤしてるわけじゃ・・え・・えとね?瀬人・・・」
「どうしたのだ?」
そういうとごそごそと自分のバックをあさり始めた
何をしているのかとみていると、のバックからハート柄の布につつまれた物がでてきた。

「貴様・・・それは何だ?」

「お弁当・・・作ってきたんだけど・・たべて・・?」

「弁当だと?・・・公園で弁当食べる輩など聞いた事がないぞ!・・・いらん。」
「たべて・・・くれないの?一生懸命・・つくったのに。」
とたんに悲しそうな顔をする

さっきまで笑顔だったのに目で見てわかるほど落ち込んでしまっている。
(ぐぬぅ・・・・・・)

「仕方ないな。食べてやってもいいぞ?」

「え!?ほ・・本当?」
ぱぁあっと表情が明るくなる。この女・・まさか確信犯では!?
まさかな・・・・そんなわけがないか。考えすぎたようだ。

「ただし・・・条件がある。」

「何・・?条件って・・?」

「明日の貴様の時間をもらう。かまわんな?」
返事も聞かないで弁当の包みを奪い取る。

そしてそのおぞましいという形容詞が海馬的にはぴったりなハート柄の布をほどくと、
中からこれまた・・・なかなかかわいらしいお弁当箱が出てきた。

ちょっと・・いやかなりもつのが恥ずかしい。

そして、意を決してお弁当箱をあけ、とたんにフリーズして顔が紅くなりそっぽをむいてしまう海馬
(この女・・・わざとか?わざとなのか!?いまどきこんな事をする奴がいるとは・・・・)
「ど・・・どうしたの!?せ・・・瀬人・・か・・・顔が真っ赤だよ?」
「ええい!!だまれ!!べ・・べつに俺はあかくなどないわっ!!」
耳まで真っ赤にしながらさけぶ海馬はそっぽをむきながら、お弁当をどうしようか真剣にまよった。
このお弁当をみるのはかなり恥ずかしい。

いや、嬉しいのも事実だが・・・。

「ぐぬぬぬぬぅ・・・・・・・」
「どうしたの?たべて・・くれないの?」
横では心配そうなの姿。

目の前にはそぼろやら桜でんぷんやらで彩られたお弁当が。
その桜でんぷで出来ている文字のせいではずかしくて直視できないのだが。
(・・・・・・ぐぬぬ・・・こうなればもうあきらめて平静を装って食すしかないな・・・)

「きちんと食べてやるぞ・・・クク、貴様の想いごとな・・。」
箸をとってその弁当を口に運ぶ。

あまり経験した事のないむずがゆいような感情におそわれながら。
海馬はの作ったお弁当を食べていった・・・・


FIN(?)



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ちなみにネタばれ。恥ずかしい文字っていうのは
あの・・・桜でんぷでできたハートマークの中に海苔でLOVEって文字が・・(笑)


華響 雅


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――『感謝の言葉』――

華響 雅様素敵なドリーム小説を有難う御座いました!!(嬉)

私の長年の願いをあっという間に叶えて下さって本当にありがとう御座いました!!

あぁ・・やっぱり、華響様の書く社長は「社長さんらしく」て素敵ですし!!(萌)
天然おボケさんヒロインはスッゴク可愛いしv・・もう、私の『理想』ですよw

これからも『素敵なドリーム小説』を書き続けてくださいませ!!(応援してます!!)


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